コラム

2021年、日本が実施する教育大改革とは

我々は人生の中で、様々な“試験”を受けてきました。学校の定期テスト、塾へ入るための入塾テスト。運転免許を取る際にも記述と技能試験を受け、免許を獲得します。そして、1月の中旬に実施される、センター試験。大学進学を希望する多くの高校生が必ず通る試験として、長年の学習者たちの指針となっていました。しかし、2020年1月の実施を最後にセンター試験が廃止されます。多くの教育者、学習者、そして保護者たちがその後の動向を追っています。

身のまわりの試験、どう変わるのか?

試験というのはそもそも、受験者の能力を測りたいために実施されるものであり、相手(実施側)が何を図りたいか、によって試験内容や形態は変わります。
日本英語検定協会が実施する英語技能検定(英検)は2017年1月の試験より英検3級、準2級にライティングの導入を開始しました。次期学習指導要領の改訂における「4技能(読むこと、聞くこと、話すこと、書くこと)の総合的育成」に合わせたようです。今まで、習熟度が低くても4択といった選択肢の中で選ぶ形式だった為、100%理解をしていなくても合格をしていた人が多かった事が正直なところでしょう。しかし、ライティングは設問に対する答え、自分の意見から、文章の構成や表現まで自分で考えなければなりません。
そして、前述の通り2020年度4月に大学へ入学(現中学3年生、2017年度高校1年生の生徒)の生徒に向けたセンター試験は2020年1月の実施を最後に廃止され、2021年度4月大学入学者(現中学2年生、2017年度中学3年生の生徒)は「大学入学希望者学力評価テスト」が活用されます。「知識・技能」だけでなく、大学入学段階で求められる「思考力・判断力・表現力」を中心に評価するという考えがベースにあります。

どう生き抜く、将来の試験

大きな変化となるであろう2021年問題に直面する子供たちは今までの教育を受けてきた学習者たちとは全く違う勉強をするのでしょうか。
過去の知識や基本的な事実は歴史的な発見がない限り変わることはないでしょう。解答の仕方、そして解答へのアプローチの仕方が変わる事が一番の変化となっています。問題内容やレベルとしては今までのセンター試験と同様でも、選択肢がなく、全ての問題に自分の解答を書く形式であれば得点率はどれくらいになるのでしょうか。思考力や表現力をどのように計るのか具体的な発表はまだありませんが、問われた物に対して選択肢のない真っ白な回答欄に、正しい解答を書けるのか、また、自分の考えを明記できるか。曖昧な知識ではなく、習熟度をしっかり上げていく学習が、不透明に変化する入試問題への重要な対策の1つと言えるのではないでしょうか。

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