コラム

教育の新常識アクティブラーニング

今までの学習環境

学生時代、1日の大半を学校で過ごし、朝から夕方まで先生から多くの事を教わったはずなのに、記憶にある事は友達との会話や、部活動、たまにある授業中の先生の面白い話などで、先生から教わった事、何を学習したのかを具体的に覚えている人は少ないでしょう。
学習とは自身の経験を通じて知識や環境に適応する態度・行動などを身につけること、にあります。授業の中で生徒は何を経験し、適応したのでしょうか。長時間席につく座り方や、提出物をどうこなすか、またはうまい居眠りの仕方でしょうか。

海外の教育“イエナプラン”

アメリカやヨーロッパでは20世紀初頭からただの暗記や詰め込み型の教育に疑問を持ち、それらを主流としてきた教育以外の選択肢を模索する動きが始まり、“オルタナティブ教育”が生まれました。そしてその内の一つとして、イエナ大学の教育学教授によって始められた“イエナプラン”がオランダで普及されています。イエナプランを導入しているスクールでは、学級は3学年にわたる年齢の異なる子供たちによって構成され、各学級をファミリーグループと呼びます。学級担任の教員はグループリーダーと呼ばれ、新学年になるごとに年長の子供たちが次のグループに進学、新しくきた年少の子供たちがグループに参加する形となっています。これによりファミリー内の子供たち自身で「教える」「教わる」の関係を構築。先生が前に立って授業をせず、子供たちのファミリーグループをフォロワーとして支えるスタイルなので、子供個人の興味関心に合ったことを教え、伸ばすスタイルが可能となっています。

変化する日本の教育 アクティブラーニング

日本でも従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業からの脱却を図っています。2012年に文部科学省が大学教育においてアクティブラーニングへの転換の必要性が述べられています。アクティブラーニングとは能動的学修であり、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく授業形態のことを指し、様々な学習法の中でもグループディスカッションによるものが多く見られます。

今後、学習とは従来の知識の伝達・注入だけではなく、得た知識をアウトプットしながら学習者同士がお互いの知識を共有し、理解を深めていく過程を指し、それを理想として教育機関は変化していくでしょう。学習者自身が学習内容や自分の知識の不足となっている部分を分析し、実のある自学自習をする、といった継続的な学習力を重要視した取り組みが重要となっていきます。

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